トヨタ生産方式を信仰している

知能テストで10段階評価の「9+」という評価を貰った事がある。
グラフも見えて、山の右端が黒く塗りつぶされていた。

いや、これは別に正式に言われたわけじゃない。
2年前の就活の時、面接官と1対1で会話してたときに面接官が見ていた資料がチラっと見えたのだ。

自分がそれくらいだって事は知ってたから驚きじゃない。
そもそもIQ115〜119くらいあるらしいしね。
時間間違えて余裕こいてた割に9+だから、頑張ればもうちっと行けた気もする。

つってもSPIを受けた時はリクルートのお兄さん(やな奴)に

「君は成績が良すぎて返って怪しいんだよね」

とまで面と向かって言われたこともあるわけで、なんかあんまり得してない気がする。
電話口で別の面接官(良い人)に「君の事が社内で議論になっている」と言われた。
やっぱり得してない気がする。


そんな「9+」を目撃したのはトヨタのグループ会社での事だ。
トヨタバッシングがあった時期で、系列のその会社も採用を絞っていたよう。
もともと、単体ではそんなに大きな会社じゃないからね。
最終選考は5人に絞られた。
最終合格は2人らしい。
俺は何故か5人に残った。

さすがにここまで行くとトヨタの事を勉強しないとな、と思って書店で本を買った。
トヨタ生産方式について書かれた本で、後にこの選択を後悔する。
だってアマゾンで1円で売られてたんだもん。
アマゾンマーケットプレースで出奔しようとしたときにガックリしたもんだ。

しかしトヨタ生産方式がなんか凄いらしいぞって事は伝わった。
そして、それから俺は何度もトヨタ生産方式についての言及を目にする事になる。

カンバン方式、ジャストインタイム、カイゼン、7つの無駄、多能工自働化

それは世界的にも有名な、そして合理的な方式なのだ。


生産効率っていうのはモノづくりにとってはやはり追求しないといけない点なのである。
トヨタ生産方式は日本人が生み出した、最も合理的な生産方式の一つとして評価されている。
次第に俺もその価値を信仰し始め、そして啓蒙するようになった。
それは自然な事だったかもしれない。


もっとも俺にとってトヨタ生産方式は古典のようなものである。

例えば源氏物語が古典なのは、時代が違うからだ。
現代人は12単を着ないだろう。
同様の構図は俺とトヨタ生産方式にも当てはまる
俺は自動車を作らない。

しかし、古典というのは「ただ古いだけのもの」ではない。
古典が長く語り継がれるのは、現代でも汲み取れる何かがあるからだ。
源氏物語には普遍的な人間の情緒がある。
そういった意味で、俺にとってトヨタ生産方式はやはり古典なのである。

例えば、デルコンピューターがトヨタ生産方式を採用して成功しているし、アパレル業界のINDITEXが衣料品用に完成させた事で有名だ。
その思想が、モノづくりにとって追求しなければならない点であるという事は既に述べた。
だから俺はトヨタ生産方式を活かす。
でもここに疑問が生まれる。
俺はトヨタ生産方式をどう活かすべきか?

俺は富を求めている。
富とはある意味で生産されるものである。
コストが高ければ消耗され、コストが低ければ増えていく。
ここでいう富とは何か?
金か?不動産か?宝石か?

いいや、時間だ。
富は時間を節約する事でもたらされる。
これは真理に思える。

年収1000万円で一日16時間働いている人と、年収500万円で一日8時間働いている人とではどっちが良いだろうか。
前者はきっと家族サービスなんて二の次で、四六字中会議や電話に追われている。それでも仕事が終わらないんだ。休日さえも犠牲にするかもしれない。
後者は定時には帰宅でき、アフター5は飲みに行ったり家族と外食に行ったりできる。休日はノンビリ温泉にでも行くのさ。

金銭的なリスクは前者の方が低いだろう。
そういう意味では、金は多ければ多いほどいい。
でも豊かさという意味では、どっちの人生の方が良い?
答えは明らかだ。
そもそも金の話なんてキリがなくなる。
うちのオヤジは年収1000万もらっていたが、それでも母親に金が少ないと言われてたもんだ。

時間の余裕こそが富をもたらす。
例えば1箇月に10万円の仕事ができる人と、1日で10万円の仕事ができる人とでは後者の方が富を持っているに違いない。
そんな事は猿でも分かる。

しかしこの差はどこから来るのか?
それは仕事の内容があるから一概には言えないけれど、きっと時間に余裕がなくなるのは無駄が多いからだ。

だからトヨタ生産方式は7つの無駄を定義する。

1.作り過ぎのムダ
2.手待ちのムダ
3.運搬のムダ
4.加工のムダ
5.在庫のムダ
6.動作のムダ
7.不良をつくるムダ

だから、俺も7つの無駄を定義してみよう。

1.勉強のムダ
2.アイディアのムダ
3.人と会うムダ
4.工夫のムダ
5.人材のムダ
6.日記のムダ
7.バグをつくるムダ

そう、仕事をしたつもりになってはいけないのだ。
でもこれはまだ完璧なムダじゃない。
β版ってとこだろう。
書いてみて思うのは、もっと抽象的で良いということ。
だからこれから折衝していく。
そうしたら、7つどころじゃなくなるかもしれないし、もっと少ないかもしれない。


やがてジャストインタイムを実現する。
それが目的だ。
デルコンピュータはジャストインタイム方式を採用した、全く新しくて古典的なビジネスモデルだ。
INDITEXはジャストインタイムを採用してアパレル業界のデルと呼ばれるようになった。
ならば俺もジャストインタイムを採用して、そうだな、web業界のデルとかアプリ開発のデルとか、そういったポジションを先ずは目指すとしようかな。