不満だが満足している、というおはなし

やっぱり理系なら

PDCAサイクル

を回さないとね。

PDCAっていうのは

plan
do
check
act

の4つの段階の事で、要するに

計画
実行
検証
改善

というサイクルを繰り返していく事である。
うん、俺ってば分かりやすい。

そんなわけで俺は自分の行動を検証するわけだが、そんな過程でいくつか気づいた事がある。
その点について、ハーズバーグさんの理論に語らせよう。


ハーズバーグさんはかく語りき。
人間には衛生要因と動機づけ要因というものがある。
http://leadershipinsight.jp/dictionary/words/herzbergs_theory_of_motivation.html

皆さんはどういう事に満足や不満を感じますか?

そう問われればあれもこれもと思い浮かぶだろう。
でも、ある一つの事が満たされれば満足し、それが満たされなければ不満に思う、というほど人間の満足感っていうのは一元的なものではないという考え方だがあるのだ。
一元的でなければ二元的なのである。
それがハーズバーグさんの主張する所だ。


人間には

・満足感が得られる条件
・不満に感じられる条件

というのがあって、そのどちらも独立しているというのだ。
白井が経営工学の本を読んでた時に出てきた考え方で、なるほどな、と思った。

ちなみに前者を「動機づけ要因」、後者を「衛生要因」という。
名前の由来は

・満足感は動機づけにより与えられる。
・不満は環境により与えられる。

という傾向があるからだろう。
例えば

・サービスの本質を学ぶ為にファミレスでバイトするぞー(・∀・)
・でも時給安いな(´・ω・)

というのは前者が動機づけ要因で、後者が衛生要因である。
前者と後者が独立しているというのは、仮に時給が高くてもサービスの本質を学ぶという本来の目的には関係しないからだ。
つまり、いくら給料が高くなってもサービスの勉強という動機は満たされないので、不満には思わなくても満足感はずーっと得られないというわけだ。

(まぁ、お金を貯めるという二次的な動機は満たされるだろうけど、バイトで得られる金なんて微々たるもんだ。だからバイトで金を貯めようとは思えない。)

マズロー欲求段階説で言えば

・動機づけ要因は上位の欲求に属する。
・衛生要因は下位の欲求に属する。

と言える。

白井が塾講師をしているのは、あくまでも下位の欲求に基づいてのことである。
すなわち

・生活費を得る

という1点に絞られる。
そこに上位の欲求である

・プレゼンテーターとしての自己実現

が入ってきたのを知ったのは、あくまでもつい最近の事である。
しかしそれも既に満ち足りきってしまった。
子供相手のプレゼンから得られる所はあるが、所詮はそれまでなのである。

そうだな、教育業なんて虚業だと思ってしまっている俺には、教育者に対する理想や期待というのが無い。
本来の意味での教育とは家族の仕事であり、教育機関はそれを補佐する存在に過ぎない。

もし教育機関が教育を主導するようになれば、それは社会的な洗脳である。
家庭には個々の価値観があるわけで、それを継承させ、社会的な価値観と親和させるのが家庭の仕事である。
もし社会を優先してしまえば、やれ学歴だやれ建前だと、どうでも良い事が優先されてしまう。
そうじゃないだろ?
それが社会ありきではなく、個人ありきの教育というものではないか。

それらの考え方から教育機関の役割は理解できるのだが、理想的な自分の在り方に繋げられないでいる。
生活費が得られるので、不満にこそ思わないが、満足はできない。


対して技術系・ベンチャー系での思索・行動というのは

・生活費は稼げない。

一方で

・理想の自分を得る。

という意味では最高であると気づく。
数学を解いている時、時間を忘れるのと同じで、コードを組んでいる時は楽しいしね。
PG/PMとして、そして経営者としての未来も描ける。
ビルゲイツジョブズもザッカーバードも最初はプログラマーだったんだ。
したがって

「不満だが満足している」

というわけの分からない状態になる。
不満な点は塾講師の収入でクリアされているので、現状は(あくまでも現状に過ぎないわけだが)問題にならないでいる。
しかし、これは2次的な問題を産む。

・それって前進しなくても良いって事じゃないの?だって不満じゃないんでしょ?

そんな疑問。
それはきっと核心を突く。


ある満足感が前進を抑制するときがある。
ラソン

「もう10kmも走ったんだから、良いじゃん…」

と言って足を止めてしまう事もあるだろう。
でもそれは偽りの満足感だ。
自分の歩を止める為に得る満足は自己満足だ。
現状に満足することは、常にそういう危険をはらんでいる。


常に空腹であれ。